Likelyレビュー

買ったものを丁寧にレビューしていきます!たぶん。

【KDP】Kindle本を出版してみた話

副業が叫ばれて久しいですが、電子書籍の出版というものに私も挑戦してみました。
数ヶ月かけて5冊の本を出版した経験をまとめてみます。

 

 

取り組む前の妄想

売上の妄想

「普通の本なら印税が10%だけど、キンドル本なら最大70%!?
1冊300円で、1,000冊売れれば・・・21万円!10,000冊売れれば210万円!10万冊売れれば(以下略」

 

執筆作業の見通しの甘さ

「よく見かける新書は10万文字か・・なるほど。
ブログで文章は書いてるし、調子いいと10,000文字ぐらい行くしヨユーでしょ。」

こんなノリでした。どちらも完全に裏切られることになります。

 

執筆中

テーマ

実際に出版したものはここでは紹介しませんが、よくあるハウツー本を書くことにしました。自分の経験を元に書けそうだなと思ったので。

 

10000文字の壁

テーマを決めて、全体の流れを考えて、目次・見出しを決めてから書き始めました。

最初はスラスラ書けるんですが、5,000文字ぐらいで伝えたかったことは全て書けてしまうんですね。ちょっと具体例交えたりして水増しても8,000文字ぐらい。

ここからどうにか文章をひねり出して10,000文字・・・という感じです。

フィーリングで適当に書いてきた零細ブロガーと物書きはやっぱり違うみたいです。

 

今回はハウツー本なので、ムダに引き伸ばすことは逆に良くないと思い、約10,000文字で出版しました。

 

表現が正しいのか気になってしまう

ブログだとぶっちゃけ適当というか・・・タダで公開しているものですしいつでも修正もできるしということで、日本語の表現に気を使うことはあんまりないです。

ですが、電子書籍のセルフ出版とはいえ一応「本」です。お金を払って読んでいただくものなので日本語はもちろん、引用、商標などが気になってしまいます。

書きながら都度調べるので、結構時間がかかります。

10,000文字書くのに、合計で10時間ぐらいでしょうか。得意なテーマなのに結構たいへんでした。

 

表紙を作るのが大変

「人は見た目が9割」みたいな本がありましたが、本も表紙が大事なようです。

表紙がMSゴシックだけで構成された本と、凝ったデザインでイラストも効果的に使われている本・・・やっぱり後者のほうが中身も期待してしまいますよね(もちろんテーマによっては前者のほうが刺さるかもしれませんが)。

クラウドソーシングで発注する方が多いようですが、売れるのかどうかが未知数だったので自分で頑張って作りました。

あーでもないこーでもないと試行錯誤して、表紙だけで5時間ぐらいかかりました。

 

出版後

売れないけど多少読まれる

予想通りですが、ほとんど売れません。ですが、たまに「読んで」くれます。

「読んでくれる」というのは、Kindle Unlimitedという読み放題プランのユーザーが読んでくれるという意味です。
1ページ読まれて大体0.4〜0.5円ですね。1万文字(と挿絵)だと40ページ前後になるので最後まで読んでくれると20円ぐらいが入る計算です。

ちなみに1ページ読まれることをアマゾン用語で「KENP(Kindle Edition Normalized Page)」と呼ぶようです。 

 

価格の試行錯誤

価格はいつでも変更できるので、いろいろと試行錯誤してみました。

 

300円前後

最初の出版時はこの価格帯でした。
1ヶ月の成果は・・・1冊売れるか売れないか。5冊分ぐらいのKENP。

 

500円前後

ちょっと売れたしもうすこしふっかけてみよう!ということで500円前後にしてみました。

結果、まったく売れなくなりました。

普通の新書の電子書籍だと700円ぐらいですからね。ボリュームも少ない素人の本に500円の価値はないですよね。

 

99円(最安値)にしてみた

最後に思い切って最安値にしてみました。薄利多売路線。

結果は・・・売れないし、読まれなくなりました!

安ければ売れると思ったんですがそうでもないようです。安かろう悪かろうと判断され、Unlimited で読もうとする人も減ってしまうのかもしれません。

 

結局のところ、300円前後に戻しています。

 

Kindle出版のスゴイところ

販促なしでもいきなり売れる

販促(ブログでの宣伝やTwitter、インスタでの集客)は一切やらなかったにも関わらず、無名の作者の本を買ったり読んでくれるというのは、アマゾンのスゴイところですね。集客力が半端ない。

現時点では約1,000円/月の収益ですが、出版した初月から収益が発生するのもまたスゴイところ。Google Adsenseで最初の1,000円に到達するのは下手したら半年後ですからね。

 

出版に(時間以外の)コストがかからない

アマゾンという巨大なプラットフォームに掲載してもらえるのに、手数料がかかりません(売れたときは天引きされますが)。

はてなブログ Proみたいに毎月600円かかったり、ドメイン代で毎年数千円払ったりというのが一切ありません。

執筆もGoogleドキュメントで可能です。

 

結論

リモートワークで削減された通勤時間で取り組みましたが、なかなかよい経験でした。アマゾンで自分の本が並んでいるのを見ると達成感があります。売れないけど。

テキストではなく写真集やコミックなども出版できますので、ネタがある方は1冊出してみてもいいかもしれません。意外な収入源になるかも。